2021 Easter Message
御復活おめでとうございます。年始めからミサが中止となり、四旬節もずっと自粛中でしたので、あっという間に迎えた復活祭となりました。それでもこの日を迎えられたことに感謝したいと思います。まだ新型コロナウイルス感染症は収まることなく続いていますが、昨年の何も分からずに不安だけが募っていた頃よりも若干の変化が見られます。「自粛慣れ」などという言葉も聞こえてくるようになりましたが、気を緩めることなく、新しい季節を迎えたいと思います。何よりも復活されたキリストによってもたらされた救いと希望が、これからを生きるわたしたちを強めてくださるように願います。
コロナ禍による自粛期間が続く中、どのように希望を見いだせるのかを思い巡らすこの頃です。毎日集まることができない聖堂で祈りをささげ、西千葉教会と千葉寺教会を行き来し、感染者数の増減に一喜一憂しながら一日が過ぎ去ります。旧約聖書のコヘレトの言葉の序文のような気持ちです。また時間がありますのでインターネットでニュースをつぶさに観察しています。コロナ以外の国内外の騒動からスポーツや芸能に関するものは、今までと変わらずに繰り返されています。そして時間だけが過ぎ去っていきます。
忙しかったわたしの生活が一変し、時間を持て余すようになりました。常々ゆっくりしたいと願っていたことが、はからずもコロナ禍によってかないましたが、自粛ムードでどこにも遊びに行けません。それまでできなかった読書をしたり、データをまとめたりして過ごしてきましたが、それにも疲れてきました。今わたしは新しさに飢えているのではないのかと感じます。新しさとは古いものが過ぎ去ることでもあります。時間が過ぎ去ることでもありますが、古いものの時代が完了することでもあります。そのとき初めて新しさが表れるのです。それこそ希望となるものです。
時間は神のわざであり、神の力です。いつも忠実ですべてに等しく与えられ、変わることなく進められています。だからこそ必ず新しさをわたしたちに運んでくれるでしょう。福音もわたしたちに新しさを運ぶものです。古い自分に死に新しいいのちに生きるため洗礼を受けたわたしたちがいつも新たにされることを願い、今年の復活祭を祝いたいと思います。