聖母の被昇天にあたって
カトリック西千葉教会の保護者である「聖母の被昇天」の祭日は8月15日です。他にマリアさまの祭日は1月1日「神の母聖マリア」、12月8日「無原罪の聖マリア」がありますが、祝日として5月31日「聖母の訪問」、9月8日「聖マリアの誕生」、記念日として聖霊降臨の主日直後「教会の母聖マリア」、イエスのみ心の祭日直後「聖母のみ心」、8月22日「天の元后聖マリア」、9月15日「悲しみの聖母」、10月7日「ロザリオの聖母」、11月21日「聖マリアの奉献」、任意の記念日として2月11日「ルルドの聖母」、5月13日「ファチマの聖母」、7月16日「カルメル山の聖母」、8月5日「聖マリア教会の献堂」、9月12日「マリアのみ名」、12月12日「グアダルペの聖母」、また年間土曜日に様々な記念日が重なっていない時には「聖母の土曜日」を記念します。しかしこれだけでなく聖母の名前をいただいた聖人たちも数多くいます。カトリック教会のカレンダーを見ますと一年中マリアさまだらけです。どれだけマリアさまが好きなのでしょうか。それだけわたしたちはマリアさまの生き方を思い起こし、模範としなければならないのでしょう。
とはいえマリアさまの記録はそれほどありません。その生涯を思い出そうとして聖書を見ても、ちょっとした記述があるだけです。天使のお告げを素直に受け入れ、身重の親類エリザベトを気遣い、暗闇の中でイエスさまを出産し、生まれたばかりのイエスさまをヨセフさまとともに律法の規定に従って神殿にささげ、ヘロデからの迫害を避けてエジプトへ避難し、巡礼中にはぐれたイエスさまを神殿で見いだし、ナザレで育て上げたことが記述されます。そして宣教活動を始めたイエスさまを気遣い、その受難と十字架の死を体験し、復活と昇天の後は弟子たちとともに行動したとあります。
その中でマリアさまの言葉も若干あります。有名なのはお告げを受けたときの「どうしてそのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」。そしてエリサベト訪問の時のマリアの賛歌、神殿巡礼ではぐれたイエスさまを見つけた時「なぜこんなことをしてくれたのです。ご覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです」の四つだけです。それでもマリアさまがどのような方だったのか、また周りの人たちがどのように見ていたのかは容易に想像出来ます。
何よりも信仰者としての素直さと力強さ、清貧さと優しさをくみ取ることができます。そのようなマリアさまを教会は絶えず思い起こしてきました。その証拠に、歴史を通して「被昇天なさった方」「神の母」「無原罪の御宿り」「教会の母」というような称号が与えられてきました。この数少ない記述は今現在も深められています。もしかしたらまた新たな称号がつけられるかもしれません。何よりもその模範にならい取り次ぎを願いましょう。