コロナ禍における聖母の被昇天

2020年8月14日

福島一基神父

 コロナ禍の中、今年も聖母の被昇天の日を迎えます。真夏の夕方に皆で集まるのを楽しみにしていた方も多いことでしょう。残念ながら今年は皆で集まることができません。それでもこの日に、心を一つにしてマリア様とともに祈りましょう。そしてカナの婚礼でぶどう酒がなくなりかけた時の模範と呼びかけを、今このときに黙想しましょう。

 母がイエスに「ぶどう酒がなくなりました」と言った。イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんな関わりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」しかし、母は召使いたちに、「この人(イエスさま)が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。(ヨハネ2:3-5)。

 このあとイエスさまは水を良いぶどう酒に変え、婚礼に出席していた人々を喜ばせるのは皆さんもご存じでしょう。しかし宴席においてぶどう酒がなくなるという状況をいち早く伝え、助けを求めるのはマリアさまです。周りの状況に心を配り、奉仕する姿がそこにあります。即座に応じてくれないイエスさまですが、あきらめずにその時に備えるように促します。お告げの時もそうでしたが、マリアさまの行動はどんなときも神への信頼に基づきます。

 きっと今マリアさまは「コロナで教会に集まれません」とイエスさまに取りなしてくださっているはずです。そしてイエスさまは「わたしの時はまだ来ていない」とタイミングを見計らっているのでしょうか。そしてマリアさまはわたしたちにこう呼びかけるのです「イエスさまが何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と。イエスさまの言いつけは、どんなタイミングでわたしたちのもとに下るのでしょうか。注意深く耳を傾けたいと思います。

 「イエスさまが何か言いつけたら、そのとおりにしてください」。これは聖母がその子どもたちである教会に残した言葉です。被昇天の聖母を保護者とする西千葉教会は、今こそこの言葉を思い起こし希望を強める時なのかもしれません。

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