受胎告知 ~ロザリオの月を迎えて~

2020年10月3日

ラニエル ベルドス(パル)神父

 皆さん、思いがけない重い内容を抱えたニュースが自分に飛び込んできたとき、おそらく戸惑い困り果てるでしょうね。聖書には、まさしくそのような場面が展開します。マリア様が、大天使ガブリエルから、思いもかけないニュースを伝えられた時です(ルカ1、26‐28)。皆さんもよくご存じの受胎告知です。男の人を知らない乙女が「あなたは身ごもって男の子を生む」(ルカ1、31)と言われたのです。マリア様は、それが聖霊の力によるものであることや、神にできないことは何一つないと言う大天使ガブリエルの言葉を通して神さまを深く信頼し、謙遜に「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と答えられました。(ルカ1、35-38)

 その時、マリア様はイエス様を宿されました。行く先にどんな困難が待ち構えているかもしれませんでしたが、マリア様はただ神のみ旨だけに身をゆだねました。これはわたしたち信者のすばらしいお手本ですね。

 こうして、マリア様はイエス様を9か月間ご胎内で養われました。(聖堂の聖櫃を指さして)ここにある聖櫃にはどなたがおられますか?私たちの救い主イエス様ですね。マリア様はイエス様を納めている聖櫃になられました。聖櫃が開けられて信者が命のパンを頂くように、クリスマスには私たちの救いのためにイエス様が誕生して、永遠の命の恵みをお与えになります。

 フランシスコ教皇様がいつも言われるように、クリスマスは信頼と希望の祭りです。信頼はマリア様において大天使が告げた神の言葉への信頼に現れました。希望は、私たちがマリア様の尊いお手本に倣って、神のみ旨の道を歩めることです。聖霊も毎日私たちの上に降りそそいで導いてくださいます。だから、突然思いがけないニュースが飛び込んできても、「恐れることはない」「主があなたとともにおられる」と言う大天使の言葉に心を向けて、「インマヌエル、神様がいつもともにいる」(マタイ1、23)ことへの信頼を証ししていきましょう。神様こそ私たちのグッドニュースです。喜びのうちに今度の10月中、マリア様と共にロザリオを祈ってまいりましょう。

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