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なぜお祈りの時、“十字を切る”の?

プチ・フォワイエ

シリーズ<小林神父さまにきく典礼の豆知識>その1
 なぜお祈りの時、“十字を切る”の?
主任司祭 小林 敬三

 

 私たちはお祈りする時、胸に大きく十字を切る習慣がある。一体これはなにを意味するのだろう。(イエス様が父なる神に祈る時、十字を切ったという形跡が聖書にはないのに・・・)。

 聖書の背景の地、パレスチナでは、今も昔も羊の牧畜が盛んに行われている。イエス様のたとえ話に羊が何度も登場するのも、それだけ昔から人々にとり身近な動物だったからだろう。

 羊飼いに連れられた羊は群れをなして、草を求めて野から野へ一日中移動する。すると、他の羊の群れと出会う。それが時には混ざり合ってしまって、どちらの飼い主の羊か容易に判別できなくなる事態が起こり始めた。そこで羊飼いたちは、自分の所有の羊であることを明らかにするために、自分の羊の額に焼き印を押した。

 私たちの真の羊飼いはキリスト。私たちはその羊。カトリック信者が祈る時十字を切るのも、自分がかつて洗礼を受け、私自身がキリストのものにされたこと、キリストの元来の所有物であることを自覚するためである。身も心も所有者に服従することを改めて思うのである。