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ホームレス支援に関わってきて 「 スープの会 」

プチ・フォワイエ

ホームレス支援に関わってきて
「 スープの会 」
堀江 美帆

 

 私は、先日、西千葉教会で上映していただいた、ドキュメンタリー映画 になった「 あしがらさん 」のいる施設(「 スープの会 」というホームレス支援の市民活動グループ)に、ここ数年間、スタッフとして関わってきました。「 スープの会 」の活動は、主に、毎週の新宿駅周辺の「 路上訪問 」(電話相談のビラを配り、相談を受けたり、お味噌汁を配ったりしています)また、2000年から、「 地域生活支援ホーム 」を開設、(現在5つのグループホームといくつかの借上げアパートがあります)さらに、2003年から、地域での居場所作りとして「 風まち喫茶 」を早稲田に開 設しました。私たちは、「 路上~地域生活支援ホーム~地域へ 」との流れを大切にしてきました。 施設には、リストラされたり、鬱(うつ)や精神疾患、アルコールの依存症など、様々な事情で仕事ができなくなったり、家庭が崩壊してしまった方が入居しています。そのような方から、「 自分なんて、社会のクズで、駄目人間だ。生きていてもしょうがない。もうどうでもいい 」 などの、苦しい、痛んだ叫びを本当にたくさん聞きました。

 私は、入居者の方と生活していく中で一番悩んだ事は、ホームレスの方に、生活保護をつけ住居を設定してあげても、そこに入居してくる方の「 生きがい 」にはなかなか繋がらない事が多いという事実でした。そんな中、次第に一人ひとりのニーズに応じて、その人なりの居場所や、生きがいを模索していくことが課題だと感じるようになりました。映画の中に出てきた、あしがらさんは、今現在も、施設で元気に暮らしています。あしがらさんが、元気になったのは、ただ、衣食住が与えられた事ではなく、意気投合し、あしがらさんを大切にしてくれるデイサービスの仲間に出会ったことでした。

 また週2回、今でも変わらず通い続けてくださる、ヘルパーさんとの繋がりも大きいと思います。私は、あしがらさんが元気になっていく姿を見 ながら、元ホームレスという狭い人間関係の枠を超えて、地域社会や、様々な団体との連携、ネットワークを広げる中で、彼らの生きがいを見出し ていかれるのではと思うようになりました。

 私が担当していたものに、その課題の一つとして、地域の中での居場所作りのための「 風まち喫茶 」がありました。この喫茶店は、早稲田の町の中にあり、元ホームレスの方だけの場に限定せず、大学生のサークル活動の場や、映像関係者の勉強の場(スクリーンがあるので)、鍼灸学校の学生さんのボランティアの場として、また毎週金曜夜には、ミャンマー人親子が料理を作る風まちバーとしても解放していきました。

 通常の午後の喫茶店の日は、入居者の元ホームレスのおっちゃん達や、ひきこもりの若い方などが、一緒にコーヒーを作ったり、お食事を作ったりしていました。これらの方達は、心身共に就労が困難な方が多数でしたが、ここでの活動を通じて、「 自分は役に立っている 」という思いがでてくるようになり嬉しい、と話していました。また、多様な人たちが出入りするようになり、いろんな出会いを通じても少しずつ、心が開かれていったり、社会性を取り戻していく方もでてきました。また、中学以降何年もひきこもっていた方が、喫茶店で数年お手伝いしてくれた後、社会に出ることができるようになり、現在ではパートをするようになった例などもあります。その一方で、反対に喫茶店を利用される学生さん達や、少数ではあるが、コーヒーを飲みにきてくれる近隣の一人暮らしのおじいちゃん、おばあちゃん、また仕事中の営業マンの方たちなどは、この場を通じて、ホームレスや、ひきこもりの方に対する偏見がとれてきたと言ってくれた方もいました。しかし、大半の地域の方達は、まだこの喫茶店に入るのが抵抗があると言われる方が多く、新聞などで取り上げられると、地域からのクレームを受けることもありました。そんな時は、辛い思いがよぎりますが、「 イエスがこの場にいたら、どうしただろうか 」と祈りました。人間は、時間をかけて対話していくなかで、お互いの理解ができることが多いと思うのです。私は、難しいかもしれないけど、あきらめず、社会に偏見をもたれている方たちと、地域の方たちと繋いでいくネットワークをこれからも作り上げていきたいと思っています。