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統合失調症を生きる ~偏見、誤解、差別の中で~

プチ・フォワイエ

統合失調症を生きる
~偏見、誤解、差別の中で~

 

 アシュレイでは2月、3月の2ヶ月、統合失調症の当事者の方に来ていただ き話を伺いました。統合失調症という病は、残念ですが日本社会の中ではまだまだ、偏見や誤解、差別がひどいということで、生きることの困難さを実例を 挙げて話してくださいました。そのうちの1人、山本真理さんは自分たちの叫びは

病の当事者の言うことなんて

とか、支援する人の声は、

素人で何も分からない者が言うこと

という一言で片付けられ、聞いてもらえない日本社会の実状を話され、外国の文献を紹介することによって自分たちの叫びを社会に理解してもらおうと翻訳等で活動されている方でした。

 山崎勝弘さんは自分の体験を通して、ピアカウンセラーとしていま統合失調症で悩んでいる人たちの相談を受けている方でした。どちらも病を受け入れ、病と共に生きて、なお苦しむ同じ病の方の支えになっている方です。

 5月の「 アシュレイ 」では、読売新聞に掲載されていた、やはり統合失調症の当事者である森実恵さんの「 心の病をくぐりぬけて 」という本を読んでいます。私たちは幻聴とか、幻覚という言葉はよく耳にしますが、体験のない者にとってはそれが一体どんなものなのか、そして本人にとってどんなに辛いものかは理解しにくいものです。森さんはそのあたりのことを実に具体的に書いておられ、私たちが理解するために非常に良く分かる本になっています。

 西千葉教会の方が少しでも当事者の方の辛さを理解でき、暖かい目で、暖かい言葉かけで、居場所を提供できれば・・という思いで、この本の一部を紹介したいと思います。

☆ うるさい幻聴 今では友人 ☆

 幻聴とは音源がないにもかかわらず、声が聞こえることです。(中略)私は幻聴と付き合って10年以上になりますが、いまだに退屈しない面白い病気だなと思います。音楽や機械の音も聞こえますが、ほとんどが人の声なので、考えてみれば随分人間くさい病気ですね。

 朝の目覚めとともに幻聴との付き合いが始まります。布団の中で「 さっさと起きろ。今日は買い物に行くぞ。早くしろ、ねぼすけ 」と言う声に起こされ、朝食の準備をしている間もずっと声は聞こえてきます。聞こえる気がするのではなく、本当に声がはっきり聞こえるのです。「 バカ、まずい、まずい 」と言う声を聞きながら朝食をとり、カーテンを開けようとすると「 隣の人が見ているからだめだ 」と言われ、また閉めます。(中略)夕食の献立は、刺身、ワケギのぬた、もずくの酢の物、栗ご飯、と考えながらスーパーに入ると、幻聴がいろんな指示を出します。

幻聴A「 お刺身は食中毒が危険だから食べたくない、カレーが食べたい

幻聴B「 カレーはコレステロールが多いからだめよ、果物を買いましょう

幻聴C「 何も買いたくない、可愛い洋服を買いましょう

 Aの声に従い、かごに入れた刺身を元のところに戻し、牛肉を買おうとしますが、Bの声に従い、牛肉を戻して果物売り場へ向かいます。ところがCの声が聞こえたので、全ての食材を元のところに戻し、2階の洋服売り場に行きます。私は店内を右往左往する挙動不審の主婦です。(略)

 ☆ 間一髪 死神との戦い ☆

 統合失調症は命にかかわる病気です。急性期には悪魔のような声に翻弄され、何度か殺されかけたことがあります。「 死ね 」「 死ね 」と言う声が24時間絶え間なく聞こえ、音量はラウドスピ-カー6、7台、人数は100人くらい。睡眠薬無しには到底眠れず、地獄のような責め苦が約3ヶ月続きました。1分間に30回、1日43,200回、1か月で100万回以上も「 死ね 」と言われ生き続けることの難しさ。

 

苦しみの中に喜びがある
今まで
気づくこともなかった人の
優しさや
人の傷つきやすさに
初めて気づくようになって
苦しみの中に喜びを見出した。
果てしなく続く幻聴との戦いに
私はもう疲れ果て
息絶えだえなのだけど
今にも死にそうな私が
驚いたことに他の人を励ましている
他の人を慰めている